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8-2 このデータは新システムに使えない(データクレンジング)

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【データクレンジング作業】

データのクレンジングという作業があります。新しいシステムを稼働させるときに手作業で進めていた業務の中で利用していたデータや、旧システムの中で溜まっていて新システムで利用するデータを「きれい」に掃除をするという意味なのです。きれいにするという事は汚れているのでしょうか。そうです、汚れているのです。例えば製品の中に今は既に生産していない製品コードやその名称等が何時までも残っているケース、購入する部品などの仕入れ先が倒産して今は他の取引先から購入しているのにデータは残っている場合、退職した社員名や社員番号が何時までも残っていて帳票などに表示されるケースなどです。

このようなデータがシステムの中に残っているとデータの整合性が取れなくなることがあります。またいろいろな視点でデータの加工を行うときの邪魔になることもあります。

この様な問題を一掃するのは機会がないと、なかなかできるものではありません。そのまま見過ごしても普段は影響がない事や、仮に削除などして過去データの抽出などで問題が発生するような気がしてそのままにしておくのが、ヒトの常です。ですから新しく情報システムを稼働させる時がクレンジングのチャンスなのです。移行作業の中でクレンジングを必要とするデータ群があれば是非ともこのような作業を計画し、実行することをお勧めします。そしてこの作業は現場のシステム利用者でないとできない作業なのです。

 

【新旧の番号の整合性】

製品や部品番号は社内で統一的に採番してユニークな番号を採番することが普通です。また製品のカテゴリーや派生的な製品・部品の関係性が容易に理解できるような番号体系にしているはずです。場合によっては取引先と共有している部品番号もあるはずです。しかし最近はシステム上の番号の桁数制限等は不要になり、検索や紐付けのデータ格納が簡単に素早くできるようになったので、番号事態に意味を持たせないでシステムで自動採番するケースが増えています。自動採番は業務全体の効率性を重視する場合には好都合なのです。

しかし此処で問題が生じることになります。製品番号などが既に外部に出ていて取引先やユーザと共有している場合は、自分たちの都合で勝手に変更することはできません。

新旧の対応表をシステムに内蔵してときに応じて変換しながらしばらくは2本立ての運用を強いられることになります。このような問題の解決や対応策をこの移行作業の中で考えて、実際の業務にできるだけ影響がないように仕組みを考えなければなりません。

 

【データの正当性の確認】

 データのクレンジング作業を実施して、新しいシステムで利用できるようにすることは

重要なことですが、意外と過小評価されがちです。新システムを考え、開発し、動作確認を実施することに比べると作業量は比較的小さく、簡単そうだからです。しかし新しいシステムで利用するデータはできる限り正当性が確認されていなければなりません。この正当性を100%保証することが難しいのです。論理的に確認できる方法があっても必要十分条件ではありません。検証のコストと、データ不備により発生するトラブルの重大性のトレードオフで割り切るしかありません。ある程度の不備が内在していることを承知でシステムを本稼働させることもマネジメント判断です。