中小企業をITで元気に!

7-3 外部委託はトラブルの温床

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外部委託先とのトラブルは沢山ある

情報システムの構築は、今までどこの中小企業も必ず外部の専門家を当てにして(頼りにして)情報システムの構築や開発を進めてきました。そのための費用はバカにならない程大きい費用なのです。その上、多くのプロジェクトで外部委託先との間でトラブルが発生し、双方ともむなしい結末に終わるケースが後を絶たないのです。どうしてそうなるのでしょう。トラブルの基本的な要因は以下の2つになります。

①委託する側が正確に要件定義を作成できない(要件を伝えられない)ため開発途上や稼働後にシステムの大幅な変更を余儀なくされる

②受託する側が正確に要件定義を理解していないため、受け入れ検査や稼働後に大幅なシステムの変更を余儀なくされる。

この様な事態になると、プロジェクト要員の追加や納期の延長に絡む金銭的、かつ機会損失による補償などを巡って、それぞれの立場で主張をしあうことになります。

この問題は基本に立ち返って考えると、自分自身の仕事のプロセスの一部になる情報システムの構築を他人任せにする委託側の当事者意識の無さと、他所様の仕事のプロセスの一部である情報システムの構築を安易に「お任せ下さい」と言って、開発を引き受ける受託側の無責任さが生み出す所以なのです。

 

【トラブルの原因は双方にあることが多い】

もう少し詳しくトラブルの誘因や原因を考えてみます。先ず中小企業側の問題は全てにおいて情報システムの開発や運用に関する知識や経験を持ち合わせていないことが挙げられます。知識や経験がないから外部委託をしているのだと反論されそうですが、情報システムの場合は、注文住宅を建てるケースとよく似ていて、購入するものがまだ見えない状態で発注することになります。悪いことに正確な設計図もありません。建築前に委託先と一緒に設計図を書けばまだ救われますが、大概は委託先に任せっきりにして、建物が出来上がってから、トイレの位置を替えたり、車庫を追加したいという要求を出します。これでは受託側はたまりません。追加費用の要請をすることになりますが、中小企業にとって追加費用の発生は致命的な問題に行きつきます。ある程度受託側の作業にも通じていて、ポイントを外さないような調整や話し合いができないとボタンの掛け違いが生じるのです。

一方受託側の原因もあります。そもそも情報システム関係の技術者は絶対的に足りない状態が続いています。大企業のお旺盛な需要のお陰で利益なき繁忙が続いております。とても中小企業に回せる技術者がいないのです。そして大企業向けのビジネスのほうが利益率も高いのでどうしても中小企業には顔が向いていません。そんな中でも中小企業の仕事を引き受けてくれる会社はありますが、大半の受託希望会社は下請けから脱却をしようとする下請体質の会社なので、中小企業の情報システム化を引き受けるための一番重要なスキル(お客様をリードできるコンサルティング能力)が抜け落ちています。

そんな状態の委託側と受宅側が一緒にシステム開発を進める訳ですから、トラブルの温床になるのは目に見えています。

 

【中小企業は外部委託サービスに期待を持ち過ぎないこと

情報システムのアウトソーシングという言葉が流行した時期があります。大企業では、情報システム部門の人材のITスキルは、本業の中では評価しにくいという理由などで情報システム子会社を設立したり、情報システムサービス企業に売却をしました。自らは本業に邁進するという経営の集中と分散の考え方です。しかし現在は買い戻したり、再度自社内に組み込んだりしているようです。理由は様々ですが共通している点は、情報システムを手のうちに入れて活用しないと企業の存続に関わるという事でしょう。特に競争力を磨いて戦略的な事業を展開する上で情報システムの果たす役割が見直されてきたことは事実です。中小企業でも事情は同じです。もともと情報システム部門は無きに等しい状態から出発する訳ですから、大企業のように回り道をして高い授業料を払う必要はありません。ショートカットで社内に情報システムキーパーソンを育成して、外部委託の情報システムサービスはピークカット的な利用に留め、自らが情報システムを有効活用できる体制を整えるべきです。その上で情報システムの専門的な技術アドバイスが得られる外部パートナーをアドバイザーとして迎えることです。しかし当事者として主体的に動くのは情報システムキーパーソンであることは変わりません。。