中小企業をITで元気に!

5-1 まず社内の情報システム設備を棚卸し

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【中小企業の情報システム基盤の陳腐化問題】

先に書いたように大半の中小企業の情報システム投資は、PCの導入から始まっています。PCを単体で導入し、ワードやエクセルで作成した帳票作成システムとして利用し、その後LANに接続され、インターネットともつながりました。この間PCは新しい新機種や新ソフトのハージョンアップのために何度か入替をしたと思いますが、基本的には管理体制の不備が原因で、どこにどんな機種がどんなソフトをインストールしているか把握されていないのが実情です。そのような状況でシステムを一新したり、インフラ系のソフトのバージョンアップを余儀なくされるとどんな影響があるか全く測りかねない状態になっているのです。それを理由にシステム基盤の更新を先延ばしにし、情報システム担当者は、「触らぬ神にたたりなし」という心理状態が続いているのです。これを情報システムの陳腐化問題と呼びます。または情報システムのカラバゴス化と呼びます。おそらく身に覚えのある読者が大勢いるのではないでしょうか。

 

【棚卸の必要性】

一度思い切って棚卸をしてみることをお勧めします。ある程度の規模になっている企業は、利用部門独自で購入したPCもいくつか存在しているはずです。ネットワークに接続されていることも多く、典型的な管理統制外のPCで、セキュリティ上の問題をはらんでいる可能性が高いのです。最近はスマホやタブレットが会社支給品となり、外部から企業内システムにアクセスできるような仕掛けを施している企業も多い事です。これが的確に管理されていないと公私混同のきっかけになり、そのうち消耗品扱いで帳簿上からは消えてなくなりますが、情報システム側の管理が杜撰だと管理者不在で実物はまだ活躍し続けることになります。また盗難や紛失にあった情報システム機器の把握ができません。

これらが問題になるのは、不正アクセスの温床になりトラッキング(アクセス先の追跡)ができない状況が発生することです。更にどこかのタイミングでシステムを一新する場合に、存在が見過ごされてその対象から外れ、本稼働後に初めてその実態が把握されることもあります。どこの企業でも近い将来必ず情報システムの一新する時期がきます。その時になって慌てて実態を把握するのでなく、常日頃から管理しておくことが大事です。情報システム機器やソフトウェアを資産と見なして(実際に資産計上するべきものもあります)資産管理台帳を作成しておきましょう。

デプロイメントサービスというPCの設置やソフトウェアのインストールを行ってくれるサービス会社があります。ある程度以上の規模になればこのサービスを利用して日常的な管理も委託する方法もあります。サービスだけでなくPCも含めてサブスクリプション形態にすることもできるはずです。情報システムの専任者を置けない企業は一考の余地があります。

 

【OSとアプリケーションソフト】

 PCには必ずOSが必要です。その種類も用途別にいくつかありますが、全世界で通常PCのデファクトスタンダートになっているのは2種類です(Windows,ios)

このOSはもともと内在するBAG(バグ、誤ったコード)の修復や新機能の追加そして緊急を要する追加機能(セキュリティパッチ)などの理由で更新される仕組みになっていて、現在はネットワークを通じてほぼ自動的に行われます。通常の更新はマイナーな変更で済みますが、何年かに一度大掛かりな変更が行われます。そしてこの大掛かりな変更は操作性の向上や新機能の追加、旧機能の廃止をするのでバージョンアップと呼ばれます。利用者として気をつけなければならないのはこのバージョンアップによって、今まで使用していた機能(入出力機器の接続、業務用ソフトウェアの稼働)に不具合を生じることがあるのです。ベンダーもバージョンアップによってより使いやすく、より進歩した機能を取り入れるためにバージョンアップをしますが、その反動で整合性が取れなくて従来の機能の保障を犠牲にしなければならないことがあります。当然事前に告知されますが、利用者としてはバージョンアップによって恩恵を被ることが無く、従来の必要機能が利用できなくなることへの不合理に対して大いなる不満が残ります。

その対応に費用が発生することがあれば猶更です。しかし情報システムのソフトウェアはハードウェアと違って永久に劣化しないと思われそうですが、相対的に劣化が進むのでやはりバージョンアップは必要なのです。古くなったから取り換えるのはハードもソフトも同じなのです。そのような観点でも社内の情報システム機器(ソフトウェアも含む)を資産管理台帳に反映しておくことが必要なのです。

 

【資産管理台帳の作成】

以下に資産管理に必要と思われる管理台帳の種類と記載内容等を掲載します。

最近はこのような資産管理するため資産情報の入力、変更情報の入力、管理情報の検索や台帳のプリント、及び購買システムとの連携をするソフトウェアが提供されているので活用をされることをお勧めします。

台帳 目的 記載内容
資産管理台帳 管理台数、資産区分、設置場所等の管理を目的とする 機器管理番号、機器情報、購入日、設置場所、固定資産番号等
リース物件管理台帳 リース契約の対象機器の管理を目的とする 機器管理番号、リース会社、リース契約番号、契約日、リース料、リース条件等

ソフトウェア管理台帳

ソフトウェアの管理を目的とする ソフトウェアの名称、インストール対象機器、保有ライセンス