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4-3 情報の流れに注目した業務の改善検討

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【業務プロセスは情報とともにある】

業務の流れを表わす方法として前回業務フローを紹介しました。業務は部門から部門へ、人から人へ引き継がれ、何らかの成果を伴って終結に至ります。この業務フロー方式は「流れ」「手順」を見るときにはよい方法ですが、仕事と一緒に移動する「情報」を見るのは不得手なのです。もともと仕事を定義するには流れだけでは不完全で、その仕事に必要な情報は何で、仕事の結果、情報がどのように変化(加工)し、次の工程に引き渡されるという視点の図がないと本当に業務の検討は正確にできません。この情報の流れと体型を意識して描かれるのがER図なのです。このER図は業務の流れを補佐するだけではありません。企業の中に充満しているいろいろな情報やデータの間にはいくつかの関係性が存在しています。例えば親子関係や従属関係などです。このような関係性を整理して定義する作業は、企業のデーターベース設計をするためにシステムの開発工程の一部に組み込まれていましたが、パッケージを利用するようになるとその必要性が薄れてきました。しかしこの情報の関係性を理解していると情報システムの画面設計や帳票設計時にシステム思考を発揮することができて、使いやすい情報システムの開発に役に立ちます。本当はパッケージの利用有無にかかわらず企業の情報体系を理解して整理することはとても重要な事なのです。

【データ関連図(ER図)の作成】

 従前から企業や団体の情報システムを開発する作業の中にER(Entitey Relashonship)の作成がありました。企業の業務の流れとともにデータの流れがあり、主にデータに注目してその関係性を定義しなおします。データモデルなどとも言います。この記述を経験すると自社の中に存在するデータや情報の関係性(親子、××、等)が理解でき、データの性質や体系のイメージが頭の中に残ります。これは小規模・部門単位のシステムではあまり重要視されませんでしたが、中小企業が一気通貫の基幹システムを開発する場合には大変威力を発揮します。精緻なモデルは必要ありません。概念データモデルのレベルで十分です。世にいうシステム思考の訓練になるのです。図××は実際に作成したある企業のER図です。最初は経験者などから記述方法や汎化による統合について教えてもらいながら是非トライしてみてください。

図4-3-1 概念データモデル図の例