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4-2 業務改善案作成の具体的な進め方

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【全社から部門代表者を集める】

ここからは業務改善案作成のための具体的な実行段階の説明に入ります。先ずプロジェクトを立ち上げます。情報システム化を前提にした業務改善ですから最初からそのような触れ込みでスタートするのもよし、業務改善の出来栄えを見てから次の情報システム化の構想作成に入る方法もあります。それぞれの企業の事情を汲んでスコープを決めるのが良いと思います。

ここで重要なことは全社から部門の代表者的な人に参加してもらうことです。よくあるケースは、俗に窓際と言われている人は時間があるからという理由で代表者に選ばれることです。一番忙しい人にどうすれば参加してもらえるか知恵の出しどころです。例えばその人とセットでアシスタント役としてもう一名の参加をお願いすることも有効です。極めて人間的な話になりますがこの人選びで業務改善の実現成否の確率が半分以上決まります。

 

【業務一覧表の作成】

 まず各部門ごとに業務一覧表を作成してもらいます。目的は業務の棚卸をすることです。留意するのは各項目の粒度業務の大きさ)です。できるだけ項目の粒度を同じようにするのがコツですが、初めて行う場合はサンプルとしてどこかの部門に作成してもらい、擦り合わせをしたうえで取り掛かるのが効率的です。そしてこのタイミングでは「どこを改善するか」、「どこが問題なのか」はまだ触れません。忠実に現在行っている業務を記述します。また部門会議や朝礼などの定例的で流れの中に入らない業務は、大項目に共通業務としてまとめましょう。セオリーとしてはこの業務一覧の項目ごとに業務量を調査して追記することもありますが、そこまで綿密な調査は必要性とのトレードオフで決めたほうが良いと考えます。業務改善の改善度が少ないのに手間暇をかける必要はありません。このようなマクロ的な洞察も加えてプロジェクトを進めましょう。

【現在の業務フロー作成】

業務一覧表に続いて業務フローを記述します。これは棚卸をした業務項目のつながりを表わすもので、この業務フローが改善策の検討に必要になります。最近は業務フローを記述するためのツール(PCソフト)が沢山あり、できればツールを使って記述したいものです。図01.に記述例を示します。業務フローはある程度記述方法が決まっていますので、それに準じたほうが共用できます。現在はPCで簡単に作成できるツールが沢山あります。使い方を覚えれば作成する手間はあまりかかりません。業務の改善を議論して改善案が合意すれば改善業務フローのベースとして再利用できます。

【業務課題の議論と改善方策の整理】

業務課題はいくつかの視点で課題をピックアップすることから始まります。日本能率協会コンサルタント編「業務改善ハンドブック」には、業務を改善する視点として以下の5つが記載されていますので紹介します。

①機能設計・追加:本来やらなければならないのに、なされていない仕事をきちんと実行できるように業務の流れに組み入れることです。やらなくなったのは何か理由があるはずです。原因の排除、または実行の確認をプロセスの中に入れることを忘れないで下さい。

②余剰・過剰・重複の排除:これがどこの企業もかなり多いようです。過去からの慣習で必要性を意識しないで漠然と実行しています。

③集中・分散・権限の見直し:業務の分担を替えることになります。特に特定の人に権限が集中していると、その人の不在時や病気などで仕事が進まなくなる事例を沢山見ています。

④基準化・標準化・システム化:同じようなことをそれぞれの人が勝手に行っていると、抜けがあったり、人の能力差で品質が違うことが良くあります。バランスよくパターン化したり、フォームを作成することも業務プロセスの改善につながります。

⑤意欲・スキルアップ:業務遂行に必要なスキルを持ち合わせていないと効率が悪くミスが発生しやすいことは誰でも容易に想像できます。研修やOJT等体系的に実施する仕組みがあると解決できます。それが意欲を引き起こしさらなるスキルアップにつながります。

上記の例は丁寧に王道を歩む方法ですが、現場で中心的に動いている人の力を借りて、短時間で行う方法もあります。中心的に動いている人は大概問題点や課題、改善点を意識的に考えていることが多いものです。日常の忙しさに忙殺され改善迄に至らないのですが、改善する機会があれば喜んで協力してもらえます。

 

【改善業務フローの作成】

上記の改善方策を考えて整理が出来たら、以前記述した「現状業務フロー」をベースにして改善方策を沿って、修正をしてみます。これを実施することで、現在の業務の変更点や全体の流れなどが確認できます。その結果改善方策を考えなおさないといけないこともあります。現在の仕事の流れや方法を変えることは長年同じことを続けている人にとっては、苦痛を伴います。特に中小企業の場合は、その傾向が強いようです。少々の改善効果しかないときは、無理に変更しないほうがいいかもしれません。改善業務フローの記述はその辺も考慮して実施して下さい。