中小企業をITで元気に!

3-3 利用部門の核人材を取り込む

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【プロジェクト成功の秘訣はメンバーの人選】

プロジェクトに参画してもらうメンバーを決めなくてはいけません。前にも述べていますが中小企業にとっては特定の人だけの仕事を情報システム化をすることではありません。上は社長から下はアルバイトの人まで関わり合いがあります。その人たちをうまく巻き込んで協力してもらうことが成功の秘訣です。当然中心的に動くプロジェクトの参加メンバーは社内の人たちに影響力を持っている人でなければなりません。

ここで影響力のある人というのは、日常業務でリーダシップをとっている人、人格的に優れていて周囲からリスペクトされている人などの事です。贅沢なこと言っているように見えますがここで安易な妥協は厳禁です。「この人が参加しているなら会社はプロジェクトを本気で推進する気だな」と全社員が思うほどの陣容を整えてください。

 

【一番の中心人材に目を付けて、個別にも参加の意義を説明する】

当然このような人は社内で一番忙しい人です。通常のお願いでは参加を断られるのは目に見えています。従って単に組織上の参加打診だけでなく、自ら足を運んでプロジェクトの重要性と業務の中心的な人の参加が何故必須なのかを説明し参加の要請をするべきです。そのような方が参加しているプロジェクトは必然的に緊張感が生まれ、一石三鳥の効果があるのもです。当然フルの参加は無理なので本業との間で調整ができるようなプロジェクト運営を前提に考えなくてはいけません。以降この人材を「利用部門の核人材」と呼ぶことにします。

 

【このメンバーは後々の重要なキーパーソン】

さてこの利用部門の核人材は情報システムに組み入れる業務機能の検討をしてもらい、ある程度システムが完成したらその検証を通じてさらなるシステムのレベルアップの検討もしてもらうことになります。(注:このような開発方法をプロトタイピング方式と呼びます。)

また利用部門の核人材には利用部門の利用者が情報システムを活用できるよう使い方の研修を担当してもらいます。そのために新しい新システムの下で必要な業務ルールを明文化することや情報システムの操作マニュアルを作成してもらうことになります。これにより利用部門の人はこの核人材を中心にして新システムの操作や機能を理解をして、学んでいきます。大企業などではこのような役割も情報システム部門が担当することが多いのですが、中小企業ではそんな線引きは意味がありません。そもそも情報システムの専任者もいない企業が、新システムの開発に挑戦するのですから全社で推進しなければなりません。いわば新システムのエバンジュリスト的な動きをしてもらうことになります。

そしてその役目はシステムが稼働してもまだ終わりません。稼働後は習得が遅い人へのケアーは勿論の事、新システムの有効活用に向けた推進者として活躍してもらいます。一連のプロジェクトに参加することで、利用部門の核人材はプログラムを作成する訳ではありませんがシステム思考を身につけるはずです。そしてその能力はシステムの改善提案や業務と一体化した「攻めのIT経営」に向けた貴重な戦力に育ちのです。

 

【参加メンバーの上司への配慮を忘れない】

いずれこのような核人材は企業の中で特別な能力を評価されて役割を期待されるようになるはずです。しかしその評価がある程度社内で認められるようになるまでは時間がかかります。それまでは現場の上司は、自分の戦力を少しとは言え、そがれる訳で素直にプロジェクト参加を受け入れてくれる人はそんなにいません。理解が得られるまでは利用部門の核人材は、プロジェクト責任者と現場の上司の板挟みになることは明らかです。この点をプロジェクト責任者は配慮しないといけません。