中小企業をITで元気に!

3-1 他人事でなく、情報システム構想を経営者にぶつけてみよう

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【経営者はどこに関心があるか】

ここでは中小企業の情報システムキーパーソンの立場で、情報システム構想の推進について考えてみましょう。普通の経営者はどのような価値観や物差しで情報システム構想を評価すると思いますか? 当たり前ですが技術やシステムの先進性などには興味はありません。本当に効果があるかの一点です。もう少し正確に言えば投資コストに対して、どの位の確度でどの程度の期間で回収できるかという事に一番興味を示します。経営者ですから当然そうでなくてはいけません。

此処で「どの位の確度」というのが問題です。これは数字で考えている訳でなく、今までの付き合いの中で育まれた信頼感(提案している幹部や社員の言っていることがどの程度信用できるか)と、話すときに感じる「やる気」を自分の感性の中で秤りにかけています。更に加えればこれからいくつかのハードルを越えなければならないときに、投げ出さないでやりぬいてくれるかどうか、これらが綯交ぜになったものが確度です。本当に構想を実現しなければならない思うなら、理論的な検討や詰めよりも経営者が感じてくれる確度をあげることが大事です。中小企業の経営者の立場ではjy情報システム投資は何回もトライは許されるものではありません。

 

【言い出しっぺに役回りが回る】

情報システム構想を語るからには、自分が先頭に立って推進するという覚悟が必要です。これ無しで提案するだけならしないほうが良いでしょう。企業社会ではよく「言い出しっぺはやらされるから言わないでおこう」という話をよく聞きます。中小企業ほどその傾向が強いものです。なぜ言い出しっぺにやってもらいたいか。お願いする経営者からみると言い出しっぺは、当事者意識を持っている数少ない人の一人であり、動機付けにもなるからです。最優先で託す理由があるからです。

逆にキーパーソンになって自分の経験を高めようと前向きに考えられる人にとってはおあつらえ向きの慣習ではないでしょうか。うまく会社の中で自らを高められる環境に投じることができ、苦労はするが情報システム技術力、コーデネーション能力、マネジメント能力等人間形成上も重要な沢山の能力開発のチャンスに挑戦できます。情報システムの有効活用を実現しないと我が社の未来はないという位の気迫で臨みませんか。

 

【評論家でなく現場監督になれ】

評論家という言葉は時々マイナスイメージで使われることがあります。ここでも実はよいニュアンスでは使っていません。特に中小企業では人材に余裕がないので評論家的行動では役に立たないのです。情報システムキーパーソンに求めることはまさに「評論家でなく現場監督になれ」という事です。情報システムの有効活用は理屈通りにならないことばかりです。コンピュータを使った仕事だから理論的アプローチが必要なのではと考えると大間違い、コンピュータを使う側の人間的な側面をどのように裁くかが情報システムの有効活用では重要なのです。リーダシップパワーの使い方、既得権益の収奪、組織への意志の刷り込み等どれをとっても人間関係のぶつかり合いになります。自らが現場に出て陣頭指揮をすることが自らの人間性を高めます。雇われて仕事をするという感覚でなく、自らの修練という意識を持つと同じ経験でも得られるものが大きく違うのではないでしょうか。