中小企業をITで元気に!

2-4 情報システムベンダーは親身な相談相手か

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【情報システム関係のベンダーの種類は沢山ある】

 

製造会社の一般的な設備投資と言えば生産設備に係る機械の購入で、購入先はかなり絞られるのが普通です。おのずと機械を販売している企業になります。ところが情報システムに関する購入先は関係するベンダーが沢山あり経験が無いと面食らうことが多いのです。ざっと分けても

①ハードベンダー(コンピュータやネットワーク機器を販売しているベンダー)

②システム系ソフトベンダー(OSやミドルソフト、周辺のツールソフトの販売している企業)

③ソリューションソフトベンダー(主に業務やオフィス系のアプリケーションソフトを

販売している企業)

④情報サービスベンダー(情報システムの開発や運用に係るサービスを提供している企業)

・システムインテグレーションサービスの提供

・システム開発&運用サービスの提供

・コンサルティングサービスの提供

・コンピュータセンター及び運営サービスの提供

・クラウドコンピューティングサービスの提供

これらの企業が単数または複数以上のサービスを提供しています。外部の人、とりわけ今まであまり接触の無かった人からは、どの企業がどのサービスに注力しているか、サービス業務は物販のために止むを得ず補足的に行っているか、自分たちの悩みを受け止めてくれるベンダーはどれか、見えずらくなっています。この辺りも中小企業が情報システム問題でトラブルが発生する一因になっています。

 

 

【サービス系のビジネスモデルは人的単価が高く見える】

 

情報システム技術者の育成はコストがかかります。技術領域が広い事や一人前になるにはかなりの経験が必要になるからです。過去のバカ高いコンピュータ中心の情報システム時代なら技術者の教育投資等はハードウェアの販売で簡単に回収できました。しかし現在はそうはいきません。コンサルティング、情報システムサービスはコンピュータやソフトウェアとはアンバンドリング(機械の費用とサービスの費用は別建て)が定着しています。そのため日本の商習慣の伝統であった「サービスは無料」と考えている人たちから見ると、とてつもなく暴利をむさぼっているように見えるのです。例えば高度なコンサルテーション技術者は200~300万円/人月が相場です。優秀なSEやプログラマーは100万円/人月はゆうに超えます。しかしベンダー側から見るとこの価格でも利益率は良くないのです。先ず再販売ができない事、サービスとサービスの間に空きがあり連続的な売り上げにつながらないこと、そして本当に役に立つ技術者にするまでの教育投資がバカにならないこと等理由を見つけるのに苦労はしません。

 

 

【ベンダーは中小企業向けのビジネスをどう見ているか】

 

中小企業にベンダーの営業が訪問するのは物販が目的であることが多いはずです。現在の物販(コンピュータハードやPC、プリンター等)単価は高くなく、利益率も低いので、販売のためのコンサルテーションや相談相手になるような人的サービスのコスト負担はできないことを情報システム利用者は知るべきなのです。また希に相談相手になる技術者がいて、IT化や情報システム化の方向性や処方箋を描いてくれても、長続きはしません。一過性の絵に描いた餅になるだけです。決してその内容が役に立たないというわけではありません。その処方箋通りに実行して投資の果実を得ることがいわば情報システム化のゴールなので、そこに至る迄の実行力を自らが持つことが出来なければ絵に描いた餅になるという事です。情報システムはシステムを用意しても、それを利用して利用者の行動変革が伴わないと果実は得られないのです。

やはり真のサービスを顧客筋に提供できるベンダーは、それなりの対価を支払ってくれる大企業に対して顔が向いているのです。中小企業側の立場にいる人は、情報システムの有効活用はこの現実を認識することから始めるべきです。情報システムは購入して動けばいいのではなく、動かしてその成果を刈り取ってこそ意味があります。そこまで付き合ってくれるベンダーや外部の専門家でないと頼りにはできません。あくまでも当事者は自分である、外部は頼るのでなく、自分が利用して果実を得るという気持ちです。少なくても利用できるスキルは最低身につけなくてはいけません。