中小企業をITで元気に!

11-4 経営と情報システムの関係性

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【AIが人間の代わりになる】

 AIが巷で騒がれています。過去にもAIブームが到来していましたが、人間を超える前にブームが去ってしまいました。しかし今回(第3次AIブーム)は人間を凌駕する可能性が見えています。シンギュラリティなどどまことしとやかに言われていますが、私自身も今回は可能性が高いと思います。勿論創造力や直観力など人間固有の領域は残っていますが、画像処理技術の高度化とルールベースをディープラーニング手法で自動作成できるようになったことがブレークスルーの要因と思われます。別の言い方をすると、画像(映像)情報として人間が認知していたものをデジタル化してコンピュータでも認知できるようになったことと、人間が日常の出来事を経験的にとらえて汎化していたことを、ビックデータからコンピュータが超高速処理で汎化できるようになったことです。

人間でないと出来ないとされていた世の中の仕事や判断業務など、次々とコンピュータに置き換えられていきます。このことが人間にとって幸せになるか不幸になるかは人間次第ですが、過去に人間が経験したことがないような社会の変化であることだけは間違いないと思われます。

 

【経営者に知ってほしい情報システムの特異性】

情報システムに含蓄がない経営者にとって、社内の情報システムにまつわる出来事(開発や稼働時のトラブル、設備の管理・維持方法、外部サービス事業者との商習慣)ほど、理解しにくくて誤解を招く投資案件はありません。その根本原因はソフトウェアという代物のせいです。ソフトウェアのおかげで情報システムは非常に優れた可用性と柔軟性を持つことができますが、それ故に、開発者や利用者の裁量で発揮できるパフォーマンスが大きく違ってきます。導入する時点では導入目的に合った完成品ではないのです。それを経営者は完成品と同じような感覚で購入するので誤解や勘違いが生じます。そしてその違いを説明しても理解してもらうには、ある程度の専門的な技術のバックグランドも必要なので、なかなか情報システム関係者も経営者が納得できる説明ができません。それが積み重なると社内の情報システム関係者への不信感に代わってゆき、双方にとって不幸な結末に進むことになります。

この問題はひとえに経営者が情報システムに興味や関心をもって、特異性を少しでも理解してもらうしかこと解決方法がありません。

 

【経営資源はヒト・モノ・カネから人・情報(システム)へ】

以前に「企業の情報システムは人間に例えたら血管である」と説明をしました。好むと好まざるとにかかわらず、身体に血液を送り込む動脈や静脈をしなやかにして、毛細血管を体の隅々まで張り巡らせないと生きながらえることが叶いません。企業も全く同じです。ましてAI技術を兼ね備えた情報システムになれば、今まで以上に企業のポテンシャルを引き上げてくれることになります。企業の経営者は経営判断の軸足を、今まで以上に情報システムに移さないと社会や環境変化に追随できなくなります。そのためには情報システムにもっと関心を持ち、情報システム人材の育成や確保に注力して、情報と情報システムという経営資源を十分に生かす環境を作るべきです。

そして最後になりますが、どんな時代になっても「人」が一番の経営資源であることに変わりはありまん。「人は石垣、人は城」とは戦国時代から言われている言葉です。人造り、そして情報システム造りがこれからの中小企業経営者の、いや全企業の経営者に課せられた命題といえるでしょう。

 

図:経営と情報システムの関係