中小企業をITで元気に!

11-2 情報システムの中期計画とPDCA

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【中小企業の中期情報システム化計画】

中小企業の情報システム化は場当たり的に行われていることが多いのです。これは当事者である中小企業自身もよい事とは思っていません。しかし情報システム関係の案件を経営課題として劣後においていては、いつまでたっても解決しません。外部の専門家の支援を受けてでも情報システムの中期計画を作成することをお勧めします。ほどんとの中小企業の情報システム化レベルは3段階に分かれます。

①PC活用レベル:オフィス系のシステム(メール、スケジュール、共有ファイル)を

必要に応じて導入している。業務は一部の会計や在庫関係の業務ア

プリを稼働させているが大半はエクセルで個別にシステム化している

②業務個別レベル:顧客情報、営業、生産、購買、業務管理、会計、人事などを個別の

パッケージで情報システム化を果たし、その上でオフィス系システム

を運用している。

⑶業務統合レベル:簡易なERPなどで社内業務の大半を統合化しているケース。

その上で情報系システムを模索中、もちろんオフィス系システムも導入

している。

上記はどのレベルにあってもそれぞれ特有の悩みを抱えていますが、問題や課題の解決を目指す場合は、手段や方向性は同じようになります。以下中期計画に盛り込むべき具体的な構想について説明します。

 

【インフラの整備】

中小企業の場合は、情報システムのインフラ計画を作成して計画的に進めているケースは少ないと思われます。ほどんとは場当たり的にその時に必要となったPCやPCのOS、アプリを導入して、つじつまを合わせています。しかし私はクラウドコンピューティングが登場してから中小企業のITは絶対的にクラウド環境に移すべきだと言い続けています。その時にまず考えなければなら②のが、インフラ環境の整備なのです。PCの大部分がクラウドと接続されるので事前に整備をしておくことが望まれます。先ずベースになるクラウド環境を選択することから始めます。そのうえでネットワーク環境を再点検しなければいけません。特に重要なのがラストワンマイルといわれる自社への引き込みのネットワーク容量を太くしましょう。そのうえでブラウザーの選択、メールやオフィスツール、コラボレーションツール等について改めて選択をします。従来使用している製品を使い続けるか、選択したクラウドと相性の良いものを選ぶかを決める必要があります。

前に記述しましたが、利用者、特に年配の利用者は使い勝手が変わると途端に利用効率が落ち慣れるまで時間がかかります。そのリスクと今のツールを継続的に利用するリスクを両天秤にかけて考えましょう。そして最後の仕上げはPCになります。PCのリース期限やOSのサポート期限を鑑みて5年程度の情報システムインフラ更新計画に沿って実行しましょう。

 

【社内の統合情報システム】

どの中小企業も社内の統合情報システム構築は喫緊の課題になっていると思われます。PC活用レベルの企業は、エクセルで作成したシステムの2重入力やエクセルレガシーの弊害などで業務効率が悪くなっているはずです。全社の業務改善と同時に統合的な情報システムの導入は、省力化、効率化の視点でも絶対的な効果を発揮します。

業務個別レベルの企業は、それぞれの個別システムが古くなり、またシステムを稼働させるITインフラのサポート期限切れ等が随所に見られます。個別システムはそれぞれサイロのように孤立しているので、その間の情報伝達は人間が介在してトラブルの原因にもなっています。やはり全体最適を目指して統合情報システムを導入することが必須です。この場合は業務の改革や改善を事前にしっかりと検討してそれを実現できる業務パッケージや業務開発ツールを選択しなければいけません。現在のシステムの置換えでは思ったような効果は期待できないことを認識して下さい。

最後は統合情報システムを既に導入してる企業になります。この場合もやはり統合情報システムの再構築を実施しなければなりません。過去に導入した統合情報システムはERPと称する従来のインフラ基盤で稼働するシステムのはずですが、おそらく使い勝手が悪くまた維持コストもかなり多額になっていると推測できます。これを新しいインフラ環境(クラウド)に乗り換えるだけで大きなコストメリットが得られます。最近の業務用パッケージは画一的なパッケージでなく、LCAP(Low code application Pratform)と呼ばれる新しいカテゴリーに位置する業務システム実現ツールが定着しつつあります。自分の体にフィットする業務システムが構築できる可能性が高くなりました。さらにNCAP(None Code Application System)と呼ばれる業務システム実現ツールは、プログラミングが不要なので現場の利用者自身でシステムを組み上げることも可能です。中小企業は大企業のような業務プロセスの複雑さがないのでこのNCAP等は推奨したいツールです。

 

【情報系システム】

情報系システムとは一般的に基幹系システムと対比して使われる言葉です。このブログでは前述の統合情報システムは、基幹系システムとおよそ同じと考えても問題ありません。

情報系システムは基幹系のシステムが整備され有効利用された暁に、そのシステムに内在しているデータを利用して、新たな付加価値を提供するシステムを作成することです。例えば販売予測システム、在庫のシュミレーションシステムなどがあります。また外部データベースの情報と自社の情報を掛け合わせて独自の事業展開を判断する経営戦略を支援するシステムになります。そしてこの情報系システムと基幹システムはデジタルトランスフォーメーション時代には、デジタル化に対応するために重要なシステムになるはずです。デジタル化対応システムはその企画や実現の過程で、業務に精通した人材をデジタル人材として再教育することになるので、来るべきDX時代に備えることができます。

 

【RPAシステム】

RPA(Robtechs P Automation)は最近になって大企業で導入され始めたソフトツールです。既存の情報システム操作をRPAを通じて定義しておくことで、ある程度自動で情報システム操作を代替えしてくれます。特に外部システムから情報を取り込んで、自社システムに入力したり、自社のエクセルシステム間を自動で連携するなどの機能は、現在のあるがままの操作をRPAに設定すれば以降は自動的に実行してくれるので喜ばれます。しかし複雑な操作や途中で人間判断要素が必要なプロセスは十分に検討しないとトラブルが多発して、逆に効率が悪くなります。RPAの活用は業務改善や業務プロセスの見直しを含めて適用を図ることが基本です。

 

【計画と実行と評価・PDCA】

これは大企業でも同じですが、情報システム化を進める場合にはその方向性や導入・開発や運用・保守、そして体制の維持が重要です。そのために中期計画を作成して投資効果も踏まえて、経営者と共有することが重要と記述してきました。

ところが情報システムの世界は技術変革が早いのが難点です。そして中期の計画が当然その影響を受けて最適だったものが陳腐化する危険性があります。そこで毎年の計画に対する実績と翌年以降の計画の見直しが必要になります。重要なことはこれを関係者で検討して共有化することです。関係者の中に経営者を第一に置くのは言わずもがなです。

情報システムの有効活用するためには、中期計画と毎年の実績の評価と計画の修正というPDCAを回すことが欠かせません。