中小企業をITで元気に!

1-4 今や情報システムの有効活用が必須な時代

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【有効活用でどんな効果が出ているか】

 

多くの中小企業ではベンダーの提案を受け入れたり、同規模の経営者からの導入事例を聞いたりした結果、見よう見まねでPCやソフトを購入して社内で利用していると思います。またインターネットが社会に当たり前のように使われるようになって、メールやファイルの共有なども、どんどん利用されるようになりました。何時までたってもキーボードになれない「現場のおじさん」の冷たい視線を帯びながらも「中小企業の情報システム」は市民権を持つに至ったのです。取引先の要請で受発注も電子取引にせざるを得なかっり、お客様様への提案書もパワーポイントで作成すると、過去の提案書を再利用することができ、素早くきれいに作成できるようになりました。そして以前の原稿の修正漏れがあって、よそ様の会社名が残ったりして冷や汗をかくこともありました。社内の一部のPC好きの社員がエクセルで作成した集計表が好評で、何人かが真似をした管理帳票が蔓延したこともありました。しかしこれらはみな単発の仕事のツールであり、これ等が浸透することで確かに一部の業務や部門内には効果はありました。しかしこれが過ぎると企業全体としては生産効率は決して上がらないことに気が付き始めまたのです。ではどうしたらよいのでしょうか。これからの中小企業で情報システムを有効活用できる場面はどのようなものがあるのでしょうか。

 

【効果の例、販路を拡大できる】

 

情報システムを有効活用すると販路が拡大できます。効果は業種によって違いますがこれは事実です。代表的なWebマーケッティングはBtoC企業だけでなくBtoB企業でもすこぶる有効になりつつあります。大企業の購買担当者も購買先の調査や購買商品の予備調査などネット検索が当たり前になっています。この例はどうしたら自社の製品や技術をアピールできるか情報システムをフルに活用できる典型例でしょう。またCRM/SFAと称する営業支援システムも有効活用すれば営業効率がすこぶる向上すること間違いなしです。但しパーケージの安易な導入は失敗事例が沢山あります。その原因は社内の営業の仕組み、権限と責任、目標管理、人事考課等々の情報システム以前の問題を整理しないからです。特に中小企業は属人性が強く個人の力量に頼った営業スタイルが多いので、仕組み作りは現場とよくすり合わせをすることが大事です。他企業の失敗事例をよく研究して上手く利用できるようになると営業効率が向上し、営業人材の育成につながこと間違いなしです。

 

 

【効果の例、人手不足を解消する】

 

労働人口の減少による人手不足は、まず先に中小企業に影響があらわれてきます。いや既に現れているといって過言ではありません。暫くは高齢者の継続雇用や女性の子育て後の職場復帰でつじつまを合わせていますがもう限界でしょう。今後はこのような場面で情報システムは、在宅勤務やサテライトオフィス等のテレワークと称する遠隔地からの仕事を可能にします。情報システムを間に挟んでクラウドソーシングを利用すると雇用関係を結ばなくても、ある程度専門的な業務を外部委託することも可能になります。

さらに今騒がれているAIがもう少し身近になってくると、オフィスワークの判断領域に情報システムが浸透してきます。こうなると人手不足はもうも怖くはありません。少数精鋭の社員で情報システムと外部人材を活用して、今以上の仕事ができるようになるはずです。但しここでも情報システムを活用する能力と情報システムが稼働する基盤が整っていることが条件になります。

 

【効果の例、生産性をあげてコストを削減する】

 

情報システムの導入は省力化、生産性の向上が当初から第一義的な動機でした。それは今でも変わりません。限られた業務の生産性向上に焦点を当てていた昔と違って、今はいたるところにその可能性があり、大企業では既に社内の業務全体に情報システム化が浸透しています。

一方、個別に構築したPCレベルの情報システムの場合は、システムとシステムの間は人手によるデータの受け渡しになり、本来なら不要であった業務が発生したり、取引先との電子取引のために電子化プロセスが追加されたりして却って業務が増加しているケースも見受けられるのです。社内の基幹的な業務は一気通貫で開発できればこのような2重作業などは簡単に回避できるものです。また働き方改革などでテレワークが提唱されていますが、人事管理や勤怠管理など遠隔地でも可能になればより働き方改革がスムーズに実践でき、相乗効果が働く余地があります。情報共有のIT基盤の仕組みを確立して、共有するべき情報(設計図や顧客情報等)の収集と更新と共有のルールができれば提案書作成や見積書作成、設計作業にも過去の知財を素早く利活用できるので生産性の向上はもとより、信頼性の確保にも好影響があります。以上みてきたように中小企業にはまだまだ生産性の向上に資する余地が沢山あり、それは至極簡単に実現できるという事を認識すべきです。

 

【セキュリティ対策を強化する】

 

日本ユーザ情報システム協議会(JUAS)の情報システム化動向の報告では、近年情報システム関連費用で増加が著しいのがセキュリティ対策費用との事です。一口にセキュリティ対策といっても、外部からのサイバーテロ対策、ウイルス感染対策、社内情報漏洩対策、社内の情報セキュリティ教育等多々あり、大企業では近年一番の関心事です。中小企業ではまだ他人事のように見ているところも多いですが、大手企業取引先から情報セキュリティ対策を要請されて慌てて実施する企業も見受けられます。どちらにしても企業の体力に応じて最低限の対策を実現しておくことが必要でしょう。この対策の基本にあるのが情報システムのセキュリティ対策です。しかし中小企業にとって情報システムからの情報漏洩に対して、専門的な対策を講じるのは、情報システムの専門家もいない状況では至難の技です。幸い自前のオンプレミスでなくクラウドコンピューティングなどの外部システムを利用すると、そこには自前のセキュリティよりはよほど強固で優れたセキュリティの世界が用意されています。最近はセキュリティ対策を目的にクラウドコンピューティングに移行する企業も出ているようです。クラウドの情報システムを活用してより情報セキュリティを強化すること(できる事)は簡単に実現する世界が来ているのです。